11月、死者の月も半ばですが
[ if I must die ] で始まる詩をご存知でしょうか
2023年に亡くなられた、
ガザの詩人 リフアト・アライールさん( Refaat Alareer ) の書かれた詩です。
亡くなる少し前に彼のSNSにあげられたこの詩は
全世界で翻訳されて広まっているそうなので
読んだことのあるかたが多いかもしれませんね。
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If I must die,
you must live
to tell my story
to sell my things
to buy a piece of cloth
and some strings,
(make it white with a long tail)
so that a child, somewhere in Gaza
while looking heaven in the eye
awaiting his dad who left in a blaze--
and bid no one farewell
not even to his flesh
not even to himself--
sees the kite, my kite you made,
flying up above
and thinks for a moment an angel is there
bringing back love
If I must die
Let it bring hope
let it be a tale
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もし、私が死ななければならないなら
あなたは生きなければならない
私の物語を語るために
私の遺品を売って
布切れと少しの糸を買うために
(長い尻尾のついた白いものにしておくれ)
そうすれば、ガザのどこかにいる子供が
天を仰ぎ見て
すでに炎の中に消えてしまったが——
肉体にも、自分自身(魂)にさえ
一言も別れを告げなかった父親を待ちながら——
あなたが作る 私の凧が
舞い上がるのを子どもが見て
ほんのひととき天使がそこにいて
愛をまた届けに来てくれたと思えるように
私が死ななければならないなら
それが希望をもたらしますように
それが物語になりますように
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この詩を読んだとき、この空にいったいどれだけの凧が
長く白い尾をひいて、あがっているのだろうか と思いました
透きとおるように哀しくて、
でも そうか、この凧は私たちがあげなくてはならないものなのか、と